旬の食材の持ち味を生かした料理と手打ち蕎麦を出す店をやりたくて、シンプルな料理に似合う建材を考えたら天然の木に行き着きました。

 

愛読していた飲食店専門雑誌に山翠舎施工のお店が何度か掲載されていたので、以前から会社の存在は知っていたんですよ。

 

実際に開業するにあたってはデザイナーや工務店の知り合いもいましたが、顔見知りだと遠慮が出て好きなことを言えなくなることも考えられたので、記憶の片隅に残っていた山翠舎に依頼を決めました。あいみつはとりませんでした。

 

 

ビジュアルのイメージは専門家に任せた方がいいと思いすべてデザイナーさんのセンスにゆだねました。僕から伝えたのは料理内容のほかに、収納を多く作ることと、完全に一人で切り盛りするため動きやすくということぐらいです。

 

 

前身の店にとりつけられていた大きなガラスを再利用したファサードが気に入っています。角地のうえ全面ガラス張りで中が丸見えとかなり開放的な印象です。

 

地元の方にも昭和の名残りを感じる古い商店街にあって、中が見えない閉鎖的な店が多い中、こういう開放的なお店はいいねと褒めていただきました。

 

あとは、既存の床を剥いで新たに使い込んだ感じに塗装した床も気に入っています。

 

 

雰囲気も料理も好評です。開店から丸二ヶ月経ち、ようやく自分に少し余裕が出てきて、地元の方から望まれている料理の価格や内容、雰囲気などを把握しつつあります。

 

 

さらに地元の方に望まれている店に近づくため、山翠舎に素敵に作ってもらった店をいい意味で崩していき、山翠舎プラスアルファでよりオリジナリティを出していけたらと思います。

 

駅から距離のある立地なので、駅前に無い店であること、また界隈でまだ誰も手がけていないことをやることで、わざわざ足を運びたくなる店にならないとと常々考えています。

 

蕎麦を打っているのもその一貫です。パスタが打てる若手は沢山いても、蕎麦が打てる若手は減っているので、そこにニーズがあるのかなと思っています。

 

 

雇われでの新規オープンの経験は何度かありますが、個人での開業は初めてなので、現場で色々とわからないことを教えてもらったり、お金の面でアドバイスをもらったりと大変助かりました。

 

開業がまだ具体的ではなかった頃に、主に資金繰りについて諸先輩方からアドバイスをもらったことがあるのですが、みな口を揃えて「なんとかなる」と言いました。当時は「先輩たちは余裕があるからそんなことがいえるんだ」なんて思っていたのですが、

 

今回いざ本気で開業準備を始めてみたら、お金はまわるし、知識を授けてくれる人との出会いにも恵まれると、すべてが気持ち悪いぐらいにうまく動き出したんですよ。

 

大手企業のサラリーマンから飲食業に転進したばかりの20年も前から独立を考えていたのに、実現までにこんなに長い年月を費やしてしまった原因は、単にこれまでの自分が本気じゃなかったからなんだと深く納得させられました。

 

スタートは遅くなりましたが、これが自分にとっても最適なタイミングと思い頑張りたいと思います。飲食業は大変は大変ですけど自分がやっていることに対して目の前ですぐ結果が出るので自分の性には合っているんです。