石川町駅を降りてすぐの小道に入った場所にある『BAR 日暮し』。 古木を随所に使った、品のある、でも居心地よいこのバーで3年目の営業の、 店主日暮さんからお話しを伺うことができました。
-この場所でバーを開こうと思ったのは、どういった理由からですか? もともと20年くらい、関内のあたりのバーで修行をしていたんです。 以前からお付き合いのある方も来てくださるだろうし、見知った土地でやろうと思って、この場所を選びました。 数ある職種の中で、バーテンダーになろうと思った経緯をお聞かせください。 今に至るまで色々なことをしてきました。ファッションが好きなので、 洋服屋の店員になったこともあるんです。 でも、お客様が気に入ったものであれば、例えこちらが心から思っていなくとも 「それ、いいですよね。お似合いですよ」 と言わなければならない。 それが洋服を売るという仕事だったんです。 そんなとき「『自分が勧めたいと思うもの』を勧められる仕事っていいな」と思いました。 学生時代のバイト経験もあったことから、バーテンダーになろうと、 ホテルのバーラウンジや、尊敬する人のバーで働きました。 3年修行したら自分の店を持とうと思っていたのですが、 自分の師事した人がどんどん成長していくものだから、なかなか追いつけなくって。 20年くらいそのお店に勤めていましたが、結局、働いていたバーが規模を縮小したりと、タイミングがきたように思いました。それを機に、自分の店を持つことにしましたね。 -ご自身のお店でバーテンダー。お仕事は楽しいですか? 楽しいです! ほぼ毎日オープンしたら来てくれる常連さんもいらっしゃいますが、 1日として同じ日がありません。とにかく毎日飽きないし、面白いですね。 -どのようにして山翠舎を見つけたんですか? 色々な施工事例が載っているサイトを見ていたところ、気に入ったものの多くが山翠舎さんの施工店舗でした。 それから僕自身、木が好きだということもあって、山翠舎さんにお願いすることを決めました。 -弊社のデザイナーには、どのようなリクエストをしましたか? ペンダントライトとガラス、それから木は使いたいと思っていて、それについてはお願いをしました。 ガラスを使いたかったのは、ぱっと見では中の様子がわからないけれど、 覗こうと思った人がなんとなくでも中を確認できるようにしたかったことが理由です。 予算の関係もあり、フローリングは迷いました。 お客様にそこまで気がついていただけるのかもわからない。 ですが、本物かそうでないかはその空間にいるとわかるもの。 だからこそ、できるだけ本物を使うことに決めました。 座席からも目立つ構造上の柱には、エンジュの木を貼ってもらったんですけれど、 デザイナーさんが「こんなエンジュの木、自分も初めて使いますよ!」と仰っていたことや、 現場監督さんが「こんないい枕木、普通フットレストには使わないんですよ」 なんて教えてくれたことなど、色々と思い出がありますね。 -実際に出来上がった空間は、いかがですか? とっても気に入っています。 最初は、安定したら夜はほどほどの時間でお店を閉めることにして、 日中にカフェもやりたいと思っていたのですが、おかげさまで遅くまでお酒を楽しんでくださるお客様も多く、夜だけの営業になっています。 でも、明るい時間は木や古木の表情もよく見えるので、 時間のあるときは昼間からお店にいたりもします。 あんまり早くからお店に来ると、つい掃除をしすぎて疲れちゃったりもするので、 ほどほどに、早く来すぎないようにしているくらいです。 -お客様の反応はいかがですか? おかげさまで近隣にお住いの常連さんがいらっしゃるので、曜日に関係なくお客様が来てくださいますね。 工事中から様子を伺ってくださった方もいらっしゃいますし、 中には「2年前からずっと気になってたんですよ」と仰ってご来店された方も。 もっと早く来てくださったらよかったのに!(笑)